2013年5月19日日曜日

被写体

被写体の表情には、そのカメラマンに対する思いが表れます。
モデルやタレントなど、被写体としてのプロはともかく、一般的な素人の場合は、それが顕著に表れます。
一つの恋愛が終止符を迎え、その相手との昔のスナップを見返した時、今では考えられないような笑顔でこちらを見ている恋人が写っているはずです。それを見てとても悲しくなった、というような経験は誰にでもあると思います。
その当時のカメラマンは、もちろん恋人であるあなたなので、それは最高の笑顔をこちらに向けていて当然です。
カメラマンに対する、そのままの気持ちが表情となって写るわけです。
友人を撮影する場合でも、それは全く同じです。
まだそんなに関係が築けていない相手がカメラマンならば、やはり遠慮がちな笑顔になるでしょうし、上司や先輩なら営業スマイルになるでしょう。
本当に心を許し合った相手がカメラマンなら、それは最高の笑顔となるはずです。
一般的な素人の、自然でしかも最高の笑顔を撮影したいなら、上司や先輩が撮るのではなく、心を許し合い、人間関係が構築された人がカメラマンとなって撮影するべきです。
写真を見れば、被写体とカメラマンとの関係が、上辺だけの関係なのか、それとも心底心を許しあった仲なのか、だいたいは想像できるものなのです。