2017年3月31日金曜日

似顔絵

ノートに人の顔を描いていると、必ず「だれ?」と聞かれます。
別に誰かを描いているわけではありません。
誰かを描こうとして描いているのではなく、ただ単に出てきたイメージを描いているだけ、要するにフィクションなのです。
描いてから初めてそれがキャラクターとなり、「これは誰々」となるのです。
いわば描いてキャラクターを生み出しているようなものなのです。
とは言っても、キャラクターを生み出そうとして描いている時以外は、生み出しているわけでもなく、単に架空の人物を描いている感じなのです。
勿論、本当に誰かを描こうとして描く場合もあります。
それが似顔絵です。
似顔絵はその人の顔の特徴を上手く捉える事さえできれば、別に顔は見なくても描けます。
リアルにも描けますし、漫画チックにも描けます。
しかし写真1枚だけで似顔絵を描く場合などは、なかなか特徴を捉えるのが難しく、可能な限り様々な表情などを見て、特徴を捉えてからの方が、上手く描けるのです。
よく似顔絵を描いて欲しいと依頼されますが、その殆どは写真1枚が送られてくるだけなので、それだけの情報で、似てると言わせる絵を描くのはなかなか困難となります。
また描くからには、喜んでもらいたいものですので、10〜20%は盛った絵を描きます。
要するに見たまんまよりも、10〜20%は美しく描くのです。
これに関しては賛否両論あります。
ブサイクならブサイクに正直に描いて欲しい人もいるでしょう。
しかしながら特徴を上手く捉え、非常に似てる絵が描けたとしても、文句を言う人がいるのです。
俺はこんなブサイクじゃない。
私はこんなブスじゃない。と。
いや実際はブサイクだからブサイクに描いたんです。
しかしながら、わざわざ描いて文句を言われるぐらいであれば、少し盛って美人に描いてあげたほうが平和なのです。
そうすれば大半の人は喜んでくれます。
先日、とあるいきつけの居酒屋で、隣に座った人達と仲良くなり友達になりました。
そしてその場のメンバーでLINEグループを作って、そこで会話したり写真を送ったりしたのです。
数日後、そのメンバーそれぞれの似顔絵を描いて、そのグループLINEにアップしました。
ところが何日経ってもスルーなのです。
きっと似顔絵に腹が立ったのか、迷惑だったのか、反応したら似顔絵代金を請求されるとでも思っているのか、そもそも似顔絵以前に、私に腹が立っていたのか、理由はわかりませんが、とにかく似顔絵は完全に流されたまま時が流れて行きました。
これまで何百人と描いてきましたが、そんな人は初めてでした。
別にいいんですけどね。
ナンマンダブナンマンダブ、チーン