2012年9月3日月曜日

接客業

先日、とある田舎のラーメン店での出来事。
実はそのお店には既に何度も訪れていたのですが、ここ1~2ヶ月は何度行っても入店を断られ続けていました。
勿論、閉店間際に行くからなのですが、過去に訪問した時の記憶から、22:30閉店だったように記憶しておりましたので、22時に行けば大丈夫であろうという事から、ここのところ何度も22時に行っては、「もう終わりました」「スープが売り切れました」と言われ続けていたのです。
もっと早く行けばいいのですが、仕事でどうしても22時前にはなってしまいます。
さすがにこう何度も断られると行く気さえ失せてくるのですが、この地域にはこの時間、他に開いているお店が無いという事もあって、今回は予め予約をする事としました。

21時に訪問し、22時前には伺う事を伝えます。
店 「いやぁもう売り切れたんすよ」
私 「ちょ、まだお客さんいますやん」
店 「いやもう無いんです」
私 「はぁ?」

あきらかに迷惑そうな対応でした。
単純に来てほしくない、そう受け取れたのです。
確かにここのところ連続して続いている入店拒否も、来てほしくないのなら納得がいきます。
さっさと閉店して、早く家に帰りたいのでしょう。
さすがに腹が立ちました。

実はこのお店のオーナーは、古くからの友人です。早速電話してみる事にしたのです。
私 「こんなんゆーねん、どーおもう?」
オ 「は?マジすか!あの店長今月いっぱいで辞めるんすよ」
私 「そーなん、ほんでテキトーにやってんやろな」
オ 「ちょっとガツンと言いますわ」

10分程して、店長が店を飛び出してきました。
店 「すみませんでした!本日22時前に大丈夫です!」
私 「は?いけるんかいな、最初からいいーな」

それからというもの、いつ行っても普通に入店できます。
閉店時間を過ぎていて、アルバイトが私たちを追い返そうとしても、奥から店長が走って出てきて、どーぞどーぞと招き入れてくれるのです。
まさか私がオーナーと繋がっているとは思わなかったのでしょう、しかしここまで対応が変わると逆に可哀想になってきます。
なのでいつも「サーセンサーセン」と言いながら、ペコペコでラーメンをいただいております。

世の中が不景気になり、どこの飲食店でもお客様獲得の為に必死になっている昨今、必死なのは経営者ばかりで、働いている従業員なんてこんなものなのです。勿論、経営者感覚で一生懸命に頑張っているスタッフも居ます。居ますが、あきらかに少数だと思います。
みんなしんどいのです、しんどいから閉店間際に来る客は迷惑なのです。
早く家に帰りたいのです。帰って風呂入ってビールでも飲みたいのです。
しかし、そんなお店は徐々に客足が離れていって、いつか閉店します。閉店して働く場を失うのは自分なのに、きっと会社が次のお店を用意してくれると勝手に思い込み、みんなテキトーにやるのです。
この店長のように、もう辞めるからと、テキトーにやるのもどうかと思います。
辞めるのなら逆に一生懸命やって、おしまれて辞めるべきです。
会社から引き止められるぐらいの辞め方をしないと、ただの負け犬ではないでしょうか。

月が変わり、新しい店長が来ているのだろうと、そのお店に行ってみましたが、彼は辞めずに居ました。
そしてこれまで以上に、最高の笑顔で迎え入れてくれたのです。
ひょっとしてやる気になったのか、たまたま次の店長が決まらずに、いるだけなのか、聞いてないのでわかりませんが、私はこの店長に、ここで頑張ってほしいと心から思いました。
ここで花を咲かせて、自信を持って次のステップに上がってほしいと願うばかりです。