2020年11月6日金曜日

ストリートピアノ

駅の構内に設置してあるストリートピアノ。 通りすがりの誰でもが、自由に弾けるピアノです。 弾いている人は、あまり下手な人はいません。 やはりある程度自信がないと、人前で弾くのは恥ずかしいはずです。 中には劇的に上手い人もいて、拍手喝采を浴びている事もあります。 最近はあちこちに設置してあって、私も通りかかった時に、なんとなくちょっとした幸せな時間を与えてもらっています。 先日、たまたまそのピアノのすぐ後ろの待合の椅子に座っていますと、通りかかったカップルの男性がストリートピアノを弾き始めました。 それはそれは、とても優雅で穏やかな演奏に、聞き惚れる人たちが足を止め、10人ほどの群がりができました。 演奏を終えると遠くにいる人達からも拍手が巻き起こりました。 そのカップルが立ち去ると、私のすぐ横に座っていた女性がピアノに駆け寄り、弾き始めたのです。 さっきの彼の演奏に影響を受けたのか、はたまた元々弾こうと思ってきてみたら先客がいて待っていたのか、その辺の事情はわかりませんが、彼女の演奏もとても素晴らしいものでした。 ところが、先ほどのように足を止める人はいなく、誰からも拍手はありませんでした。 技術なのか選曲の問題なのか、詳しい理由はわかりませんが、たしかに上手いのですが、先ほどの彼のような優雅さがありませんし、なんとなく自信が感じられません。 私はなんとなく彼女が可哀想になって1人拍手をしておきました。 すると彼女は、私の方にペコっと会釈をして足早に去って行きました。 「バイバーイくじけなやー次期待してるでー」 私は心の中でそう叫びました。 するとまたすぐ隣にいた小学生の女の子がピアノに駆け寄り弾き始めました。 またその演奏が素晴らしく、たちまち人だかりができるほどでした。 ストリートピアノ、見てると数分おきに誰かがやってきてサッと1曲弾いて立ち去っていきます。 実際に弾く人は少ないと思っていたのですが、実は毎日物凄い数の人が弾いている事を初めて知りました。

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