2011年7月28日木曜日

記者魂

記者魂とは。
どんな職業でも真髄とでも申しましょうか、「魂」というものが存在するはずです。
記者には記者の魂、デザイナーにはデザイナーの「魂」というものがあるのです。

先日、とある地方紙の取材を受けることとなり、ある記者と会う事となりました。
彼とは初対面でしたが、彼の新聞社には知人もいたので、なんの違和感も無く、すんなりと取材を受ける事としたのです。
彼は私という個人を特定するために、半年間もの時間を要したと言います。
私と会うために並々ならぬ努力をしたそうです。
ブログは毎日目を通し、コラムも必ず読む。
飲食店の足跡を辿り、様々なお店での聞き込み調査までしたというから驚きます。
「ブログにメールフォームありますやん、メールしてくれたら良かったのに」
「いえいえ、地道に探してたどり着く事に意義があるのです」
彼は、決して近道はしたくないのだと言います。
話の中で、彼の新聞社にいる私の知人が同じフロアにいる事も判明しました。
「そんな遠回りせんかてその人に聞いたら一発ですやん」
「いえいえ、まさか彼が知り合いだとは思いませんもん。しかもそんな近道したくありません」
私は彼の「新聞記者魂」を見たような気がしました。
あくまでも自分で見つけたヤマには、自分の足を使って、自分の力で、そして取材までもって行きたい。
そんな彼の姿勢に心打たれたのです。
ネットや雑誌の情報に頼らず、自分の足でたまたま見つけて飛び込んだお店をレビューしたいという私の飲食店探しと共通する部分があったからです。
しかし彼は、そこまでしても半分以上は取材を断られるというのですから、なかなか大変な仕事だと思いました。
30分ぐらいの取材を受け、100枚以上の写真を撮影し、取材は終了しました。
後日、800文字にまとめられた彼の書いた記事を見て、その執筆力に再度記者魂を感じたのでした。
これまでに数多くののライターの記事を見てきましたが、彼ほどにこちらの意図を細かな部分まで歪めずに完璧に捉えた人はいなかったからです。
彼の姿勢と能力には本当に「魂」を感じたのでした。


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