2010年7月23日金曜日

仕組み作り

「田んぼでは何を作ってると思いますか?」
ある社長に質問された。
すかさず
「お米です」
と答える。
すると
「では、畑では何を作ってるんですか?」
とまた質問される。
すかさず
「野菜です」
と答えた。

実はその社長も、ある農家の人から同じ質問をされたのだとか。
もちろんその社長も俺と同じように答えたという。
すると
「いいえ、私たちは”土”を作ってるんです。土さえちゃんと作れば野菜や米は勝手に育つんです」
と根本的な部分を教えられたという話を聞いた。

確かにその通りだと思う。
社会や組織に於いて、人を育てようとか、教育だとか、意識を変えるとか、そんな事は簡単ではない。
まして言葉で教えだけで、なかなか人なんて変わるものではないのだ。
その農家の人は、実は根本的な部分、例えば仕組みや環境を作ってあげることで、いとも簡単に人を変える事ができ、さらに勝手に成長してくれるという例え話をしてくれたのだと思う。

どうしても責任感がうすく、何回も同じ事を言っても一向に変わらなかったある社員に、部下をつけてあげただけで劇的に変化したという経験がある。
これはまさに仕組みや環境を作ったということが原因で、責任感が生まれ、大きく変化したという成功事例である。
車の免許を取った瞬間に、自転車の危険性が理解できたり、上司になってはじめて上司の気持ちがわかったり、親になるまで親の気持ちがわからないというのもこれと同様である。
人はその立場に立ってはじめて本当に人の気持ちが理解ができるものだ。
企業における技術者と営業との意見の相違もまさにこれに該当する。
技術経験のある営業の方がスムーズに仕事をすすめることができるのは、技術者の気持ちが理解できるからである。
もちろんその逆も然り、営業経験のある技術者は、営業の苦労を理解できるので、嫌な顔1つせず仕事をこなす。

まさにこれも同じことだと思ふ。
もちろん簡単ではないけれど、でも言葉やテクニックで人を変えようとする方が、よほど難しいのだと実感した。

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