2010年8月12日木曜日

親父

親戚のオッチャンから電話があって親父が倒れて救急車で運ばれたという
聞くとたいしたことなくて入院もせずに既に家に帰ったのだとか。
でもオッチャン曰く、近所の人から聞いた話、「最近家から一歩も出てないらしい」とか「俺はガンやからもう死ぬんや言いまくってる」とか、なんか俺の知ってる親父とは別人のような話を延々聞かされた。
気になるので時間をおいて親父の携帯に電話してみた。

電話で話すと、オッチャンから聞いてたような感じもなく、いつものようにベラベラとよく喋る親父。
相変わらず近所の誰が死んだという話は多いけれど、元気そうに感じた。
「運動せなアカンで運動」
「いや半年ほど前は俺かてそう思て歩いとったんや」
「なんでやめんねん」
「足がいたなってやめたんや、それに人と会うのんがイヤでイヤでな」
「なんてえ?」
「会うたら喋らなアカンやろ、それがじゃーくさーてじゃーくさーて、腹も立つしな」
「腹も立つてなんで腹立つねんな」
「知らんけど腹立つねん、〇〇さんとも言い合いしてもう話もせん仲になっとるし」
「はああ?めっさ仲良かったやん〇〇さんと」
「なんでかわからんけどな、歳のせいかなあ」
俺にはこんなに普通に喋ってるのに、人と会うことがイヤで極力人と会わないような時間帯に歩いてたという親父の話を聞いて、こら病気ちゃうかと思った。
でもその気持ちなんとなくわかる。
俺もそんな気持ちなったことある。
でもそれはあえて言わなかった。
俺もそれわかるて今度言うてみたろかな、ほな少しは楽になるんかな

「どーせ後5~10年以内には死ぬしな俺も。運動せんでもええやろ」
「あほ!運動して体力つけとかなあかんがな!余命を元気に生きるか病気で生きるかの違いやで」
「そん時は自殺するわ」
「あほなこといいなや!自殺なんかされたら後片付けが大変やがな」
「心配せんでもどっか山行って睡眠薬のんで死ぬやん」
「睡眠薬は体がアツーアツーなってめっさ苦しいらしいで、楽な自殺なんかあるかい!」
「まあこんなこと言うててもこわなってでけへんやろけどな」
「当たり前じゃ!ポックリ楽に死ぬためにも運動して体力つけて元気に生きとかなアカンねや!」
おそらく誰とも口を聞かずにひきこもっているせいか、いろいろイランことを考えてしまうようになったのだと思う。
数ヶ月前、心臓のところに小さな影が映ってて、ひょっとしたらそれが癌かもわからんと病院で言われてからというもの、色々自分で考えて考えて、妄想して妄想して、精神的に相当しんどなってるんやと思う。
かといって温泉でもつれていったるわ等言っても絶対に行くとは言わないのもわかってる。
なので今度、一人で温泉行っておいでと言ってみようと思う。
一人で源泉入ってみたら気が晴れるかもしれん。
電話を切って、何故か「疾走」を思い出した。
なんでか全くわからんけど疾走のあの彼の精神的にしんどい部分が頭に浮かんだ。

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