高校の頃、体育の授業で槍投げがあった。
槍の投げ方を覚えて、2人でキャッチボールのようにして練習するのだ。
いわゆるキャッチ槍。
キャッチという言葉を使っているけれど、実際は槍をキャッチするわけではない。
実際は、相手の投げる槍の到達地点よりも少し後方で構えて危険を防止する。
刺さったら大変ですもん。
俺は仲良しのわーくんとキャッチ槍していた。
彼は中学の頃から同じバレー部だったクラスメイト。
ビュッ
彼が思いっきり槍を投げる。
槍は弧を描いて俺の立ってる地点の10m手前の地面に刺さる。
俺はその槍を抜いて10m戻り、投げ返す。
ビュッ
また彼が槍を投げる。
が、この時の槍は弧を描かずに低空飛行だった。
シュルシュル・・・
なんとその槍は地面に突き刺さらずに、地面を滑るようにこちらへ向かってきたのだ。
このままだと俺の立ってるところまで滑ってくる。
通常こんな場合はとりあえず槍の進行方向から逃げるのかもしれない。
でも俺は足で槍を踏んで止めてやろうと待ち構えていたのだ。
ブスッ 「なんて!」
しまった。タイミングを間違えた。
なんと槍は俺の靴を貫通し親指に突き刺さっていたのだ。
「あうぅぅぅぅ!」
靴から槍を抜いて、恐る恐る靴を脱いで見ると真っ赤に染まった靴下。
この靴下の中は一体どーなっているのか。
俺は怖くて靴下を脱ぐ事は出来なかった。
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