オフィスの喫煙ルームの窓の下に、我々が勝手にサンシャイン牧場と名づけた畑が見える。
毎日オッチャンが朝から畑仕事をしているのを眺めならがタバコを吸う。
たまに上からオッチャンに声をかけて、イチゴやらタマネギの育て方をあーだこーだと聞く事もある。
オッチャンはええ人で、いつも快く答えてくれる。
たまにイチゴなどをいただいた事もあった。
住宅地にポツンと1つだけあるこの畑は、きっと昔から農家の家に代々続くオッチャンの仕事なんだろうと思っていた。
ある日のこと、喫煙ルームからKが俺を呼ぶ。
「来てください!はよこっち来てください!大変です!」
行くといつも軽トラのオッチャンが畑にベンツで乗り付けるのが見えた。
「なんやねん道楽かいっ!」
「なんかボクがっかりですわ」
Kがつぶやく。
俺もなんとなくがっかりした。
オッチャンは田舎の農家の人で、どちらかというとビンボーであってほしかった。
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