2014年5月11日日曜日

1人で喋っている人

電車に乗っていると、1人で見えない誰かと喋っている人をよく見かけます。
本当にそこに誰かが居るかのように、普通に喋っているのです。
毎日1人は見かけますので、物凄い人数が存在するといえます。
周囲の人は、視線をそらし、聞いて聞かぬふり、見て見ぬふりをして、その場をやり過ごしています。
確かに病気なのですから、仕方のない事なのでしょうが、あそこまでハッキリと会話されると、さすがに誰かが見えているのだと思ってしまいます。
一度でいいので、インタビューしてみたいのですが、なかなかそんな機会もなく、これまでモヤモヤを抱えながら生きてきました。
調べてみると、統合失調症、もしくはアスペルガー症候群の高機能自閉症という事らしいのですが、彼らは普段はどんな生活を送っているのでしょうか。仕事などはしていないのでしょうか。
普段は普通に仕事していて、電車に乗った時にだけ、誰かと喋っているというのでしょうか。
それとも普段からずっと誰かと喋っているのでしょうか。
また統合失調症でなくても独り言をいう人はいるとの事ですので、そういう人達は、普段は普通に生活を送り、そしてたまに独り言を言うという事になります。
実際、あまりにも独り言の多い友人に、普段はどうしているのかと聞くと「1人で部屋にいる時も、独り言は言っています」との事でした。
しかしながら、彼らが言う独り言と、街で見る独り言の人達とは、あきらかに喋っている内容が異なります。
友人を見る限り、何かのアクションとともに独り言をいっています。
街でよく見る人達は、現在の状況やアクションとは無関係に、連続して喋っているのです。
本当に彼らにしか見えない誰かと、会話しているように見えるのです。

先日、浜松市内のコンビニエンスストアで、友人が買い物をするというので、店前でタバコを吸って待っていました。
灰皿を囲んで数名が、立って喫煙していましたが、1人の中年女性は、物凄い大声で、見えない誰かと喋り続けています。
皆彼女とは少し距離を置いて立っていましたが、私はすぐ横に立ち、彼女の話を聞きながらタバコを吸っていました。
店から出てきた友人が皆「漫才してるんかとおもた」と言うほどに、彼女は大声で喋り続けていたのです。
静かな電車内では、独り言の人が目立つので多いように思うのですが、実際は、電車でなくても、そこらじゅうに独り言の人がいるという事なります。

先日、千葉市内の住宅街をトボトボ歩いていた時の事です。
前から25~6歳の青年が、こちらに向かって大声で何かを叫びながら歩いて来ました。
あきらかに私に向かって何かを言っている様子です。
私は何事かと思いながらそちらへ歩いていましたが、よく観察すると、独り言のようにも見えます。
私は目線をそらさず、突き進みます。
彼は、物凄い形相でこちらに向かって、大声で喋りなごら、私が見えていないかのように、そのまま通りすぎていきました。
通りすぎてからも、後ろから走ってきて刺されるのではないかと思うほどの勢いでした。
彼はずっとあの勢いで喋っているのでしょうか。
もしもそうなら、深夜などな完全に近所迷惑です。
アスペルガー症候群の高機能自閉症は、言葉の問題が比較的軽く、要求、拒否、興味ある事柄などについての会話はできるそうですが、もしもあの時、何かを話しかけていたら、一体どうなっていたのでしょうか。
ハッとわれに返るのでしょうか。
それとも完全にスルーでしょうか。
なんとなくスルーのような気がするのですが、実際に話しかけた事がないのでわかりません。
いずれにしても、一度彼らに話を聞いてみたいものです。