2014年7月24日木曜日

荷物は網棚に

とある地方都市で特急列車に揺られていた時の事です。
この特急列車は、指定席がいつも満席で、自由席がガッラガラというおかしな列車です。
わざわざ指定券を買ってにもかかわらず、隣の見ず知らずの他人に気を使いながら、数時間も列車に揺られる事のストレスはハンパないものがあります。
たまたまトイレに立った時に、チラッと見えたのがガッラガラの自由席だったのでした。
それ以来、いつも1車両に2~3人しか乗っていないガッラガラの自由席に乗り、足を投げ出して、時には寝転んでみたりと、自由なスタイルで列車に揺られているのです。
途中の駅で乗客は入れ替わるのですが、結局のところ2~3人という人数は変わりません。
わざわざお金を払って、ギューギューの指定席を取るなんて、馬鹿げた話だと思います。
いつものようにガッラガラの自由席に座っていると、車掌が切符確認にまわってきました。
車掌は、私の切符を確認し、返却してくる際にこう言ったのです。
「荷物は網棚に置いて下さい」
「はあ?なんで?」
「席に荷物を置かれると他のお客様に迷惑だからです」
「他て?」
「座りたい人です」
車掌は、もしも私の隣に座りたい人がいた場合に備えて、隣の席に置いている私のバッグを網棚に置けと言うのです。
車両内はいつもの通りガッラガラです。
このガッラガラの車両内で、わざわざ私の横に座りに誰が来るのでしょうか。
よほど私のファンだという人ぐらいしかあり得ない話です。
「なんぼでも席あいとるやん」
「いやもしもの場合です」
「1億万分の1の確率ために?」
「荷物は網棚に置く決まりです」
そんな決まり初めて聞きました。
そもそも先日、荷物を網棚を置く事を否定するコラムを書いたばかりです。