2019年12月9日月曜日

世知辛い世の中

大阪環状線に揺られている時の事です。
私の視界に入る位置に1枚の切符がゆらゆらと落ちて行きました。
おそらく目の前に立っている人達の中の誰かが落としたのでしょう。
正面に座っているお婆さん、中年男性ともにその切符を見ています。
ポジション的に、おそらく私よりもハッキリと見えていたはずですが、リアクションは何もありません。
皆何も思わないのでしょうか。
他人のことなんてどうでも良いのでしょうか。
仕方ないので私が言うしかありません。
数人立っているうちの誰なのかはわかりませんが、とにかくその辺の人たちに向けて声をかけてみたのです。
「切符落としましたよ」
すると一番近くに立っていたオバハンだけが反応し、その落ちている切符に一瞬視線をやり、すぐこちらを見てこう言ったのです。
「違います」
「・・・・・・あはい、、」
オバハンは自分ではないと言うだけで、近くの人達に聞くわけでもなく、すぐに知らん顔をしました。
関西人の場合、自分ではないのなら、今度はその人が近くの人に声をかけ、数珠つなぎ的に落とした人を探すのが一般的な流れではないでしょうか。
それが人情味あふれるおせっかいな関西のオバチャンのはずです。
私もそのオバハンの向こう側の人にまでわざわざ立って声をかけるのも何か違う気がして、そのまま黙り込んでしまいました。
切符だけが静かに床に佇んでいました。
何か世知辛い世の中になってしまったきがしました。

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