2017年9月7日木曜日

路地裏の攻防

とある路地にさしかかったとき、何やら曲がり角の向こうの方から男性同士の怒鳴り声が聞こえてきました。
誰かが喧嘩でもしているのか、かなり大きな声で怒鳴り合っているようです。
私は少し早足に歩き、声のする方へと急ぎました。
角を曲がると80歳は確実にこえているであろうお爺さん2人が大声で怒鳴り合っています。
私は先程までの3分の1程度にまでスピードを落とし、歩きながらチラ見し、状況を把握することにしました。

老人A「だからお前は環境破壊の悪の亡者やゆーとんねん」
老人B「ワシは地球を汚してへん」
老人A「お前みたいな奴がおるから地球が温暖化するんや、死ねボケが!」
なんか地球環境や温暖化がテーマの、スケールの大きな喧嘩のようです。
老人A「地球を汚してへん言いながら手ぶらやないかえ!絶対汚さん保証があるんか!ええ?」
見ると老人Bは茶色のトイプードルを連れています。
どうやら愛犬の散歩中に、他人である老人Aからいきなり喧嘩を売られたようです。
その理由として、犬が散歩中にフンをした場合に備えて、処理用のビニール袋を持っていなかった事が原因のようです。
老人Aは相当真面目なのでしょう。
全くの他人に喧嘩を売るのですから、かなり環境破壊にはうるさいようです。
しかもまだトイプードルがフンをしたわけではないのです。
もしかしたらこれから起こりうるであろう事態に備え、準備不足である老人Bが相当許せなかったのでしょう。相当怒っています。
年齢も年齢なので、エキサイトしている自分を抑えられないのかも知れません。
老人Aの勢いが物凄いので、少し老人が劣勢に見えます。
確かに老人Bはフンの処理までは考えもしていなかったようなのです。
だから尚更、老人Aの正論には劣勢なムードが見え隠れしてしまうのでしょう。
私はこれ以上、老人Bの強がるところを見るのが辛くなり、その場を立ち去りました。

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