2014年3月23日日曜日

電話好きのオジサン

とある飲食店のカウンター席。
運営上の効率を考えれば、当然の事ですが、1人客なら、だいたいカウンター席に通されます。
カウンターで1人飲んでいると、様々な人を見かけます。
先日、三重県のとある飲食店にて、1人カウンター席で飲んでいますと、1人のオジサンが賑やかに入ってきました。
この賑やかというのは、別に酔っているわけではなく、店員とのやりとりが、口数が多いせいでしょうか、なんとなく賑やかしく感じるオジサンだったのです。
そのオジサンは、ビールと料理を注文し終えると、バッグから携帯電話を取り出し、誰かに電話し始めたのです。
「もしも~し、俺俺、何してた?」
だいたいこんなところで電話をかけなければならないという状況は、よほど急ぎの要件か、それとも日課となっている大好きな彼女への電話か、もしくは、どうしても今かけておかないといけない何か特別な理由がある場合だと思います。
「えっ?いやいや、今メシ食ってるんだけどね。いま忙しい?」
携帯電話のスピーカー音量が大きいのか、こちらまで相手の声が聞こえてきます。
相手は男性です。
相手の話し方からすると、このオジサンよりも年下なのでしょう。
相手は敬語です。明らかに受話器の向こうで、このオジサンに遠慮している事が、話し方で理解できます。
会社の部下か、後輩か、取引先の営業マンか、とにかくこのオジサンには服従しなければならない立場の人に間違いないはずです。
「いまヒマだからさ、ヒマつぶしに付き合ってもらおうと思って」
なんという事でしょうか。
このオジサンは、飲食店のカウンター席で、ビールを飲みながらヒマだから電話に付き合ってくれと、年下の男性に電話をかけているのです。
どんなけ迷惑なオッサンなのでしょうか、先程までオジサンと呼んでいましたが、もうオッサンと呼ばせてもらいます。
相手の男性が今何をしていて、どんな心境でオッサンの電話の相手をしているのかわかりませんが、とにかく迷惑すぎるオッサンです。
オッサンは、左手に携帯電話、右手でビールを飲み、そして料理を食べ、延々と喋り続けています。
話題も仕事の事から、飲んで楽しかった事、花見の話、旅行のこと、知人の話と多岐にわたります。
そのほとんどが、たあいもない話です。
しかも声が大きく、オッサンの声が店内に響き渡ります。
かれこれ2時間が経過したでしょうか、オッサンはまだ喋り続けています。
私は待合せの人との時間となった為に店を出ましたが、一体あれからまだ何時間喋り続けたのか、今度そのお店を訪問した際に聞いてみようと思います。
そもそも、もしも私なら、こんな迷惑な電話がかかってきたら、電波状況が悪いせいにして、突然切ってしまいます。
そして一度だけすぐにかけ直して
「さーせん今電波悪いのでまたかけますわ」
と言っておけば良いのです。