2014年3月11日火曜日

幽霊

幽霊が出た幽霊が出たと、世間では幽霊が出た話には人が集まり、そして花が咲きます。
そんな話は聞きたくないと、頑なに聞こうとしない人も、少なからずおられますが、だいたいの人は「えっ?なんて?マジで?」と興味本位に集まってきます。
知人の体験談、身内の体験談など、幽霊話は様々な人の体験談が熱く語られますが、やはりなんといっても自身の体験談が一番心に響くのではないでしょうか。
知人や友人など、人から聞いた話は、どこか疑ってしまうものです。
その人自身が体験した話は、やはり信憑性も高く、何よりも本人が体験している話なので、何かと質問もできますし盛り上がります。
毎回そういった幽霊話を、鳥肌を立てながら、時には涙を流しながら聞くのが皆大好きなのです。

私は、母親が死んでから、あまり幽霊を怖いとは思わなくなりました。
子供の頃は、幽霊が怖くて怖くて、夜中に階段をおりてトイレに行くなんて事は、絶対にできなかったほどに怖かったのです。
いつも2階の窓から用をたしておりました。
ところが、母親が死んだ時、幽霊になってでも良いので出てきてほしいと強く思いました。
結局、父親や弟の枕元へは、何度となく登場したらしいのですが、何故か私のところへは一度も出てきてくれませんでした。
しかしそれ以来、あまり幽霊が怖いなどと思わなくなったのです。
確かに、深夜の古いホテルの廊下の奥にある自販機コーナーは怖いですし、幽霊が出ると有名なホテルへ宿泊する時は、誰かに背中を叩かれたりと、怖いと思うような体験は何度となくするのですが、だからと言って怖くて眠れないとか、シャンプー中に後ろが気になって目を閉じれないなどというような事はありません。
布団から足を出して寝ると、誰かに足を引っ張られるとも思わなくなったのです。
逆に、何か怖い体験をすると、それがネタになるとさえ思ってしまうようになりました。
これが歳をとるという事なのでしょうか。
もしそうだとしたら、老けたと思われるのは嫌なので、キャーキャー言って怖いフリを続けようと思います。