2014年2月19日水曜日

印象的だった人

今回の旅でとても印象的だったお二人を紹介いたします。

お一人目は電車内で私の斜め前に座ったオバチャンです。
話し方からして、割と品のある上品なオバチャンです。
通路を挟んで座っている友人らしき人と楽しそうに会話しております。
途中、友人らしき人が眠りについたのか、静かになりました。
オバチャンはそのタイミングでトイレに立ちます。
トイレから出てきて、おもむろにバッグから小さなスプレー式の容器を取り出しました。
おそらく香水のアトマイザーでしょう、全身にスプレーし始めたのです。
普通は、首などにシュッシュッとやれば終了するはずですが、オバチャンのシュッシュッはなかなか終わりません。

シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ

「どんなけすんねん!!」

思わずツッコミそうになりながら目をやると、オバチャンはケツにシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッとやっていたのです。

「そこかいっっ!!」

座った状態で少し斜めに腰を上げて、ケツの周辺に丁寧にシュッシュッするオバチャン。
だいぶ臭いブツをしてきたのでしょう。
とても印象的だった人です。

お二人目は、蕎麦屋さんで私の斜め前に座ったオバチャンです。
そのオバチャンは、1人で蕎麦を食べ終えると、小さな声で「ごちそうさまでした」と手を合わせたのです。
一瞬の出来事だったので、おそらく私しか見ていないと思いますが、確かにそう聞こえました。
「いただきます」
「ごちそうさまでした」
この二つの言葉は、食に感謝するというとても大切な言葉です。
しかし誰も聞いていない状態で、誰にも聞こえないように、オバチャンは言いました。
このオバチャンは本当に感謝しているのです。
きっと、家で1人だったとしても、このオバチャンなら「いただきます」「ごちそうさまでした」と言っているはずです。
素晴らしい人です。
正直私は、誰かがいないと言いません。
お店でも、店員が聞いているなら言うかもわかりませんが、聞いていないのなら言いません。
きっと私の「いただきます」と「ごちそうさま」は、ポーズなのです。
本当に感謝しているのではなく、礼儀正しい人と思わせるためのアピールなのかもわかりません。
これまでそんな事、一切考えずに生きてきましたが、このオバチャンと出会って、それを痛烈に感じました。
素晴らしいオバチャンです。
心から敬意をはらうと同時に、スタンディングオベーションで見送りたかったところです。