2017年2月23日木曜日

エロ漫画

東京の異業種交流会に入っていた時の事です。
ここは、20〜50代の日本各地の企業の社長が集まってきます。
この中で、毎回1人が自身の半生を発表するというものがありました。
ちょうど私の発表の際に、中学生時代に書いた漫画をひっぱり出して来て、資料に添付したのです。
その漫画は、私自身非常に気に入っていて、当時書きながら自分でも面白すぎて、手が笑ってまともに描けないほどの力作でした。
まぁこういうものは、いくら自分で面白いと思っても、判断するのは他人であって、他人に認められないと、世に出る事などありません。
それまでの作品でも、何度か賞を取ったりしてはいたのですが、毎回変態的な内容であったりして、集英社の人からも「もっと中学生らしい漫画かけねーのかよ」と言われていました。
そんな時、たまたま講談社の副編集と知り合った事もあって、送った作品がこれだったのです。
結局、ちゃんと届いたのかさえわからないままに、この作品を最後に、描くことをやめてしまいました。
それから20年が経過し、この異業種交流会で、この漫画がめちゃくちゃウケたのです。
あまりにも面白いので、本にしてほしいと言われ、10ページもありませんでしたが、後日100冊ほど製本して、この異業種交流会で配布しました。
その後、異業種交流会のメンバー達と銀座のクラブで飲んでいた時の事です。
誰かがその漫画冊子を10冊ほどママに手渡し、宣伝してほしいとお願いしました。
早速ママは、向こうで飲んでいた50〜60歳ぐらいの男性グループへその10冊を配布し、見るように促しました。
すると数ページ目を通したその中の一人の男性が、
「こんなの漫画じゃねーよ!」
と、急に冊子を地面に叩きつけたのです。
残りの人達もそれに影響されたのか、「俺は見ねーよ!」などと言って、見る事すらボイコットし始めたのです。
これは一体どういう事なのでしょうか。
こちらの異業種交流会ではあんなにウケたのに。
ひょっとして年齢的なものなのでしょうか。
確かに向こうの男性達は、こちら側に比べて10歳以上年配です。
もしかしたら30〜40歳ぐらいの人にしか通用しない漫画なのかもわかりません。
我々はその否定的な態度を遠目に見て、急に静かになりました。
「次いこ次」
そう言って店を後にしました。
それから5年程が経過したでしょうか、とある店で将来漫画家を目指しているという高校生の女子と知り合いました。
その彼女に、例の漫画を見てもらいました。
年齢的なもので、判断のわかれるあの漫画を見せて、高校生の女子が何と言うのか知りたかったのです。
サッと読んで彼女は真顔でこう言いました。
「ただのエロ漫画じゃないですか」
結局ただのエロ漫画だったようです。

殿の漫画 どっちが強いか名勝負

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