2017年2月23日木曜日

迷子のお爺さん

とある地方都市のさらに小さな町の駅での事です。
改札を入ったところで、背の高いきちっとした服装のお爺さんに声をかけられました。
「○○大学へ行きたいのですが」
私はそんな大学の事は何も知りませんでしが、Googleマップで検索してみると隣の駅が最寄り駅のようでしたので「私もそっち方面へ行くので一緒にいきますか?」と返事をしたのです。
そもそもお爺さんは、何故この駅で降りようとしたのでしょうか。
ここから歩いたら30分以上はかかります。
最寄駅である隣の駅からでさえ、徒歩10分です。
しかしながら、隣の駅からは送迎バスも出ているようです。
だから絶対に隣駅が便利です。
お爺さんは、時々こういうミスをするそうで、キチンと調べないままに、直感で電車に飛び乗ったり、降りたりするそうです。
そしていつも誰か親切な人に教えてもらって、辿りつけるのだそうです。
「今回も親切なあなたに出会えたおかげで、辿りつけますよ」
ゆっくりとした口調でそう言ってニコッと笑いました。
もう軽く80歳は超えているでしょう、ベージュのトレンチコートのよく似合う、紳士的なお爺さんとの15分ほどの時間を過ごし「またどこかでお会いしましょう」と言って別れたのです。

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