2016年11月9日水曜日

臭い荷物

JR草津線に乗っていると、ビニール袋を両手に持ったオッサンが乗ってきました。
オッサンは大きな右手のビニール袋だけを私の頭上の網棚に置き、そして反対側の向かいの席に座ったのです。
そもそも何故オッサンは自分側の網棚に荷物を置かずに、こちら側に置いたのでしょうか。
当初は全く理解できず、変わったオッサンやなぁぐらいに思っていたのです。
少しすると、私の頭上のビニール袋から、なんとも言えないオカズ臭が漂ってきました。
おそらくニンニクを使用した惣菜かキムチか、何か強烈な臭いを発する物が入っているのでしょう、正直臭い、臭いのです。
このとき初めてこのオッサンが確信犯だと気付かされたのです。
ここまでこの臭いビニール袋を持ってきて、自身でも辛かったのでしょう。
しかしいくら臭くて辛かったとしても、人を巻き込むのはやめて欲しいものです。
目の前の私が、臭くて顰めっ面をしている事は気付いているはずです。
しかしオッサンはそんな事は気にも留めず、手に持っていたもう一つのビニール袋から弁当を取り出し食べ始めたのです。
そもそも特急ではない在来線の横長の座席で、弁当を食べる人も珍しいと思うのですが、何よりも目の前の他人の頭上に、臭い臭い荷物を平気で置く人なのですから、それからすれば弁当を食べるぐらいは大した事ないのかもしれないとさえ思えてくるから不思議です。
隣に座っていたご婦人も、この臭いに耐えられなかったのか、少しして席を移動してしまいました。
私も席を移動すれば良いのですが、なんとなくそれはこのオッサンに負けたような気がして、席を立てずにいました。
30分が経過したでしょうか、オッサンは荷物を取って降りて行きました。
私は何とかこのビッグ異臭を耐えぬいたのです。
そしてオッサンに勝ったのでした。
私は小さくガッツポーズをしました。

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