2016年1月27日水曜日

踏んだり蹴ったりの人

阪神電車に乗っていた時の事です。
普段ならあえて座ろうとはしないのですが、その日は荷物が重く、また長旅の疲れもあって、隙あらば座ろうと席が空くのを狙っていました。
すぐ近くの対面となっている5人掛けの長椅子にはどちらも3人が座っています。
厚かましいオバチャンなら隙間に突入して無理矢理座るのでしょうが、それはさすがにしたくはありません。
まぁ、3人のうち誰か1人が立って席が空けば座ろうという感じで狙っていたわけです。
とある駅について、一番端に座っていた男性が席を立ちました。
私はすかさず床に置いたバッグを拾い上げました。
すると、空いた席の向かい側の真ん中に座っていた男性が、サッとその空いた向かい側の端の席に移動したのです。
おそらく彼は真ん中の席よりも端の席が良かったのでしょう。
私だってその席の方が良かったのですが、仕方ありません、さっきまでその彼が座っていた真ん中の席へ向かいました。
すると、その横の人が急に目を覚まし、慌てて電車を降りたのです。
私は必然的に、その慌てて降りた人が座っていた端の席に座りました。
その駅で、賑やかな子供と母親2人が乗ってきました。
すると向かいの真ん中に座っていた人が気を利かして端に寄り、その2人は真ん中に座ったのです。
ついさっきまでどちらも5人掛けに3人だったのに、一瞬のうちにこちらが2人、向こうは5人となったのです。
私は天高く足を上げ、そしてゆっくりと足を組みました。
先程ゆったりとしたスペースを求めて移動した彼は、窮屈そうにこっちを見ながら座っています。
彼とっては、踏んだり蹴ったりの結果となったようです。

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