毎回毎回さまざまな人々の恋愛相談にのって来た私ですが、このたび初めて年上の男性から相談を受ける事となりました。
しかも年齢は53歳、とある中小企業の社長様です。
彼は俗に言う「先生」と呼ばれる職種の方で、どちらかというと堅苦しい、生真面目な印象を受けるタイプの人です。
彼の相談内容は、彼女が欲しいというものでした。
30代の頃はまだ、言い寄ってくる女性も少なからず存在したけれど、もうこの歳になってめっきりそんな浮いた話がないのだと言います。
元々職業柄でしょうか、堅い、言い方を変えれば怖い、近寄りがたい、打ち解けにくい等の印象がある上に、そんな簡単に女性に話しかける事すらままならない性格が手伝って、もう何十年も彼女が居ないと言います。
彼女が欲しい理由として、癒しが欲しいそうです。
趣味といえばクラシックを聴くことぐらいで、仕事が忙しくそれもままならない日々を過ごすうちに、ストレス発散の場所すら無くなったと嘆きます。
私 「誰か職場におらんのですか」
「おったらこんな事言わんがな」
私 「誰か紹介しましょか」
「してーな」
私 「どんなんがええんすか」
「こんな不細工なオッサンでもええゆう人やったら誰でもええわ」
私 「誰でもええんすか?好みはないんすか」
「ない事ないけど・・・。別にキレーじゃなくてええんや」
私 「ほぉ」
「キレーより可愛い系がええわ」
私 「可愛いタイプ?何歳ぐらいで?」
「20代かなあ」
私 「なんやてえ?20代?」
「せや」
私 「30代は?」
「アカン」
私 「アカンてか、どんなけ間口狭いねん」
「せやけどしゃーないがな、好みやもん」
私 「若すぎるんちゃいますん。外見は?」
「身長は158cmぐらいかな、中肉中背がええわ」
私 「顔は?」
「顔か、顔は上戸彩がええわ」
私 「上戸彩、そなもんおらんわ!ちゅーかどこが誰でもええねん!」
「せやけどキレーではないやろ?」
私 「充分キレイ、あんた失礼やなしかし」
「それか桐谷美玲がええわ」
私 「誰ですんそれ」
気になるのでググッてみました。
めためたキレーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
私 「めっさキレーですやんこの子」
「せやろ、えーやろ」
私 「ええけどこんな子めったにおりませんやん。ちゅーかどんなけ欲深いんすか」
「こんな子紹介してーな」
私 「おるかいっっ!おってもあんたがゲットできるかいっっ!!」
「せやねん」
私 「しかもどんなけ条件厳しいんすか」
「やっぱりそうおもうか」
私 「・・・・・・・・・・。」
この話のゴールが全く見えてこないので、話題を変えることにしました。
私 「オッチャン好きの20代女子集めて合コンでもしたらどないですん?」
「オッチャン好きなんかおるんけ」
私 「そらおるでしょ」
「しかもボクなんか不細工やし太いし・・・」
私 「オッチャン好きでデブ専女子もどっかにいますて」
「そもそも合コン行ってもよう喋らんがな」
私 「無理して喋ったらええですやん」
「そんなキャラちゃうもんボク」
私 「キャラ変えーな」
「そんな急に無理やて」
私 「・・・・・・・・・・。」
この話もゴールが全く見えてこないので、話題を変えることにしました。
私 「先生より5歳も年上のあの社長なんか、まだ現役で合コンやっとるで」
「あの人はお金もあるし口も上手いやん」
私 「せやけど金じゃなくて積極性やと思いますよ」
「ボクかてあと20年若かったら積極性も出るんやけどな」
私 「20年前は積極的やったんすか」
「いいや」
私 「ほなら年齢関係ありませんやん」
「ま、まあな・・」
私 「そない言うならジム行ったりエステ行ったりしたらええですやん」
「そんな時間あるかいな」
私 「時間ないなら家で寝る前に筋トレしたり、朝歩いたりできますやん」
「そんなもん疲れとんのに無理や無理」
結局、何を言っても否定されるので相談はこの辺で打ち切りました。
よほど自分に自信がないのでしょうか。
しかし彼の目標を達成する為には、やはり彼自身が変化しないと無理なような気がします。
仮に彼が大きく変化しても達成できるかどうかわかりません。
おそらくそれが嫌なので、はなっから努力しようという気が起きないのでしょう。
しかし彼はなぜか大満足で帰って行きました。
おそらくこれまでの人生で、こういう話を誰かとしたことが無かったのでしょう。
こういう話をできただけでも楽しかったようです。
「ありがとう、また話聞いてや」
そう言って笑顔で帰って行きました。
どないやねん
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