2013年9月18日水曜日

マント群落

高速を走っていると、このような風景をよく目にします。

















ツルのようなツタのような植物が、木々の上に覆いかぶさって、まるでお化けのように生息しています。

















木々が動けない事をいい事に、勝手に上にかぶさってきたこの植物を、木々達は一体どう思っているのでしょうか。
これでは日光も遮られ、成長すら邪魔されてしまうのではないでしょうか。
こういった理由から、私はこれまでずっと、こツルのようなツタのような植物は、樹木の敵ではないかと思っていました。

















しかも生えているのは、いずれも人間が森林を削って作った道路やトンネルなどと、森との境界線がほとんどです。

















ひょっとすると、人間がこういった工事の後で、森との境界を緑地化するために、成長の早いツルをあえて植えたのでは?
そんな憶測をしていました。
そしてそれがどんどん成長してしまい、森の木々の上へ上へと増殖、森林のバランスを崩してしまっているのではないか、そんな妄想を膨らませておりました。

















そう、ブラックバスのような存在だと、ずっと思っていたのです。
そう思いはじめて15.8年、ついに検索してみました。
ずっと以前から調べよう調べようと思いながら、果たして何て検索して良いのかがわからず、ずっと先延ばしにしてきたのです。
すると、このツルのようなツタのような存在を「マント群落」と呼ぶのだという事がわかりました。

マント群落とは、森林の周囲に発達するつる植物や小低木の群落で、森林内への風の吹き込みを防いだり、日光の直射による乾燥を防いだりして、袖群落とともに森林内の環境を保つ役割をもつのだそうです。
















マント群落に接して,裸地との間につる植物を中心とした草本と低木群落からなるソデ群落もあり、これらの群落は、森林が破壊された時、まっさきに裸地や森林の周辺をおおい、森林内に強い風や光が人ってくることをはばみ、大雨などによって栄養分豊かな表面の土壌が流されるのを防いでくれます。
 森林が破壊されると一般には強い風が入り込み、木を倒し、強すぎる光は中の植物を枯死させたり、強い風により林内が乾燥し、森をさらに破壊します。
 ところが成長の速いつる植物を中心としたマント群落やソデ群落があると風や光を遮って林内の環境を一定のものに保ち、森林が守られるというわけです。
 ちょうど人間がケガをしたときにできるかさぶたと同じ役割があり、かさぶたは見た目にはみにくいですが、いち早く傷口をおおい、外の空気や水などが傷口にふれるのを防ぎ、細菌の侵入などを阻止して人のからだを守ります。
 マント群落やソデ群落は、まさに森林のかさぶたともいえるもので、その中心的役割を担っているのがつる植物なのだそうです。

このように、調べてみると、この敵だとおもっていた植物は、実は物凄く良い植物だったようです。
ずっと木々は「どないやねん、どけや!」と言っていると勝手に思っていましたが、実は「ええ子やのぅ、高い高い~」と言っていたのです。
何でも見かけで判断してはいけないのですね。
勉強になりました。