2016年4月23日土曜日

電車が怖い女の子

JR総武線に乗っている時の事です。
母親に連れられた5〜6歳の男の子と3〜4歳の女の子が乗って来ました。
席が埋まっていたためか、座りたそうにしていた女の子を宥めながら、私が座っている座席のすぐ横に3人が立っています。
小さな女の子は、座ってる私の目線よりも少し低い高さで立っています。
「怖いよぅ怖いよぅ」
女の子は電車が初めてなのか、とても怖いようなのです。
「怖くないってば」
お兄ちゃんが言います。
「大丈夫!怖くないから!」
母親も励ましています。
「怖いよぅ怖いよぅ」
小さな女の子はギュッと目を閉じ、小刻みに震えながら、目の前にあった私の足に捕まってきました。
「な、な、なんちゅうやっちゃ!めたくたかあいーがな実際問題!」
震えながら電車が発車するのを待っているのです。
プシューッ、ガタッ、ガタガタッ
ドアが閉まり電車が発車しました。
彼女はまだ目をギュッと閉じ、下を向いて私の足に捕まっています。
電車が動き始めて少しして、ゆっくりと目を開き、顔を上げると、何も問題がなかった事を実感したのか、こう言いました。
「怖くない、あたし怖くないよ!」
物凄い笑顔です。
怖い怖いと思っていた電車が、怖くなかった事がとても嬉しかったのでしょう。
「だから言ったでしょ」
母親はこう言うと、あまり興味なさそうに長男と話し始めました。
全く他人の私が、横でキュンキュンきているのにです。
娘がこんなにキュートなのに何故あまり興味を示さないのかが理解できません。
私なら頭ナデナデしながら「良かったな良かったな」と抱きしめてあげます。
なによりも最初に怖いよ怖いよと言ってる時点で、ギュッと抱きしめてあげるはずです。
この母親は、娘より息子の事が可愛くて仕方ないのかも知れません。
なんとなくガッカリしました。

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