2012年7月27日金曜日

言葉の力

成功を目指す人が、自身で自分をマインドコントロールする最も簡単な方法として、言葉で自分を洗脳するという方法が一般的に知られています。
心で思うのではなく、「私は絶対に成功する」と言葉を発することで、その言葉が自分の耳や皮膚から体内に浸透し、成功する自分になっていくというものです。

また、特定の人を「好き」と言い続けると、本当に好きになるというのも、これと同じ作用なのかもしれません。
演技でラブシーンを何度も演じると、本当に相手を好きになってしまうというのも納得できます。
言葉とは不思議なものです。

逆に「嫌い」と言い続けると本当に嫌いになっていきます。
私の知人に、会うたびに特定の人の陰口を言っている人がいます。
彼は私にだけではなく、周囲のほとんどの人に同じ陰口を言います。もう何年も言い続けています。
陰口を言う真理としては

(1)直接言う勇気がないので影で文句を言う。
(2)文句を言う事で、その内容について自分はできているというアピール。
(3)自分がいかに被害者であるかという事を訴えて、同情をかう。

などが挙げられますが、彼はまさにこれすべてに当てはまると思います。
周囲の人は皆うんざりしています。こういう話は聞くだけで体力が奪われるのです。
当初は解決策などをアドバイスしていましたが、人の話なんて全く聞く耳をもっていませんので、みんな途中で諦め、「また始まったか」と、右耳から入れて左耳から出すという風になっていくのです。
私は基本的にスルーしていますが、彼はどんどん新規開拓(言う相手を増やしている)しているので、被害者はどんどん増え続けています。
そしてその話を聞いた人も同じ事を言っていたと違う人に話します。
勝手にどんどん仲間を増やしていっています。
名前を使われた本人はそんなこと一言も言っていなくても、親身に陰口を聞いただけで勝手に仲間にされてしまうのです。

彼は日々人の悪口を言い続ける事で、完全に「言葉による自身の洗脳」を行い、その相手のことを物凄く嫌いになっていったのでしょう。
最初は「気に入らん」程度だったはずです、ところが何年も言い続けたことで大嫌いになったのです。
本当に言葉とは恐ろしいものです。

疲れてもいないのに「しんどいわー、しんどいわー」と言う知人がいます。
それを言う事で、不思議と周囲の人も疲れてきます。
何度もそれを指摘していますが、無意識のうちに口から発してしまっているようです。
その人も同様に、「しんどい、疲れた」と言う事で、自分をその言葉で洗脳し、本当に疲れてしまうのでしょう。ひょっとすると病気になってしまうのかもしれません。
言葉とは本当に恐ろしいものです。

このように言葉とは本当に恐ろしくもあり、また便利なものでもあるのです。
言葉の持つ力をよく理解して、自分を良い方向に洗脳することが、大切なのではないでしょうか。





2012年7月13日金曜日

立場

一般社会、特に仕事上に於いて、人にはそれぞれ立場というものがあります。
上司と部下、先輩と後輩、客と店員などなど。
この立場という存在は、非常に不思議なものです。

仕事ができない上司と、できる部下の場合。
できない上司ができる部下に立場を利用して偉そうにものを言います。
なぜ能力の低い人に偉そうに言われなくてはならないのでしょう。
やがてこのできる部下は会社を辞めます。
立場を利用して偉そうにするクズのような人間のせいで、会社は優秀な人材を失う事となります。
ただ単に早く会社に入ったというだけの上司はもう会社には必要ないのです。

先日ある友人から聞いた話。
その彼は、普段店舗にて販売に携わる仕事をしているからこそ、プライベートはクレーマーになるのだと言います。
彼は様々なお店に行っては、アラを見つけて散々文句を言い放つのだそうです。
しかし何のためにそうするのでしょうか。
ただ単にストレス発散に利用しているようにしか思えません。
客という立場を利用して、弱い物いじめをする卑劣な人間にしか見えません。

以前、取引先のメーカーで働いていた人がいました。
彼は私からすれば仕入先の人、彼からすれば私は重要なお客様です。
ところがその後、彼はそのメーカーを退社し、不動産会社に入社したのです。
その不動産会社が、とあるゼネコンに発注した仕事を、私の会社で担当することになりました。
工程会議に出席した私は、いつもの通りゼネコンの担当者に理由もなくえらそうに言われるわけですが、その場に施主として登場したのか彼だったのです。
ゼネコンは業者には意味もなくえらそうにしますが、施主にはペコペコです。
その施主である彼が私にペコペコなのですから、ゼネコンも急に態度を変えペコペコになったという事がありました。
立場が変わっただけでこうも周囲が変化するのかという事を痛烈に感じた瞬間でした。

会社や組織というものは、その人個人の人格や人柄に全く関係なく立場というものを作ります。
立場を手に入れた人は、どんなにいい人でもよほど注意をしておかないと、周囲からチヤホヤされることでだんだんと舞い上がり、つけあがっていくものです。
立場があればあるほどに、下の人には腰を低く丁寧に、そして親切にしなければならないのです。
立場で人を動かすのではなく、人柄で人を動かさなければならないのです。
立場で無理やり人を動かしても、心までは動かせません。
その事に気づかない人は、その企業や団体から外れたときに、はじめて自分が無力である事に気づかされるのです。
どんな立場の人も、その立場でモノを言わず、個人の人柄を磨き、個人としてモノを言う事が重要だと思うのです。